食品などの卸業者では、飲食店などの取引先から野菜や肉、魚介類などの注文を受ける際に、注文書をFAXで受け取ることもあるでしょう。
この場合、毎度FAXで出力された紙の注文書を受け取り、業務システムで処理するとなると印刷・通信コストや手入力作業がかさみ、効率が悪く感じるのではないでしょうか。
そこで、OCRの導入を検討する方も多いと思いますが、実際効率が良いかどうかは気になるところです。
今回は、FAXで受け取った書類のOCR導入を検討している方向けに、その概要やメリット・デメリットについてご紹介していきます。
FAXをOCRで読み取る方法は2つ
FAXをOCRで読み取る方法は2つあります。
-
FAXで届いた紙媒体をOCRで読み取る
FAXで出力した紙媒体をOCRに読み取り認識させるという方法がすぐに思い浮かぶでしょう。
-
FAX-OCRを使って受信データを直接読み取る
FAX-OCRとは、本来紙媒体に印刷するFAXデータをそのままOCRで文字認識させ、テキスト化することです。
FAXで届いた紙媒体をOCRで読み取る

この方法のメリットとデメリットを比較していきましょう。
メリット
事務処理や作業フローを変える必要がありません。請求書を見ながら会計ソフト等へ手入力を行っていた作業を置き換えることができますので、事務処理の順番や作業フローを変える必要はありません。
事務処理のフローを変えるくらいなら影響は少ないと考える方もいらっしゃると思いますが、新しい方法・フローに慣れるまでにはどうしても時間がかかるうえ、変更直後には思わぬところで作業の抜け・漏れといったミスが発生しやすくなってしまうものです。
デメリット
紙媒体を読み込ませる作業の手間がかかるというデメリットがあります。また、FAXの印刷品質によって読み取り精度が落ちてしまうことがあります。
読み込み作業の手間はかかりますが、FAX-OCRと比べて導入や運用コストを抑えることができるため、コスト重視の企業にとっては、おすすめの方法と言えるでしょう。
FAX-OCR処理
この方法のメリットとデメリットを比較していきましょう。
メリット
いちいちデータを印刷しないため、印刷コストも減りますし、無駄な作業をせずに済むでしょう。また、人が紙媒体をOCRに読み込ませる際の、人為的なミスも減らすことができます。
デメリット
FAX-OCRを利用するために、OCR機能があるFAXサーバーを設置する必要があり、通常のOCR導入に比べてコストが高くなる傾向があります。一度導入してしまえば運用コストは削減できるというケースが多いですが、導入コストが高くなることは、企業にとってはデメリットに感じることもあるでしょう。
まとめ
ここまで、FAXをOCRする2つの方法の説明と、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介してきました。
両方の方法に言えることですが、FAXのデータをOCRで読み取るためには、歪みのない鮮明な文字データが送られてくることが必要です。送信元FAXの性能の違いや紙の状態によってデータの質は異なるため、FAXをOCRで読み取るのは難しい部分もあります。
PFUでは、長年にわたって多くのクライアント様にOCRの導入を支援しております。導入をご検討されている企業様は、是非一度ご相談ください。