現場と業務の未来を支えるPFUの提案【MEX金沢2026/e-messe kanazawa 2026 出展レポート】

PFUは2026年5月、金沢市で開催された「MEX金沢2026」と「e-messe kanazawa 2026」に出展した。
両展示会で、現場の業務効率化や品質向上を支えるソリューションや、AI技術を活用した最新製品などを展示。
本記事では、各ブースで紹介した主な出展内容をレポートする。

  • MEX金沢2026(第62回機械工業見本市金沢)
    会期:2026年5月14日(木)~5月16日(土)
    テーマ:心躍るテクノロジー 未来がここから動き出す
  • 第41回いしかわ情報システムフェア「e-messe kanazawa 2026」
    会期:2026年5月21日(木)・22日(金)
    テーマ:理想をカタチに  未来を描くICT

どちらの展示会でも、学生が出展企業の会社説明や採用情報を聞ける「学生特別企画」と、「PFUブルーキャッツ石川かほく」の特設コーナーが設けられ、多くの来場者やファンが足を運んだ。

MEX金沢2026 出展レポート

MEX金沢は、一般社団法人石川県鉄工機電協会が主催する「機械工業見本市」で、金属工作・加工機械や電子関連機器の最新技術を紹介する場として、県内外から269の企業・団体が出展した。

PFUでは、危険物検知AIエンジン「Raptor VISION BATTERY」や、2026年4月21日に販売を開始した新AI-OCR「PaperStream AI」など、多彩な製品・ソリューションを展示した。

ここでは、参考出展した3つのソリューションを紹介する。

作業の質を高めるキャプチャリングデバイス(参考出展)

1つ目の参考出展では、現場作業の記録といった付随作業の手間を自動化し、作業品質の向上を支援するキャプチャリングデバイスを紹介した。
カメラが作業者の手元を俯瞰で捉え、動きを追いながら作業の要所を読み取り、証跡として記録・集約する。たとえば、ラベルや必要情報が記載された箇所を作業者が指差すと、カメラがその位置に注目し、必要な文字情報を読み取って記録する仕組みだ。

AIが手の動きや骨格、文字情報の位置や範囲を認識することで、人とモノの関係性や作業者が注目しているポイントを把握し、必要な情報だけを適切に記録できるようにしている。取得した画像や作業情報は、レポート作成や結果整理への活用も見据えている。

使用するカメラは、上方から手元を含む人の作業の動きを俯瞰できる専用デバイスを想定。将来的には独自技術を盛り込んだ専用デバイスとしての展開を目指す一方、現在は前段階の取り組みとして汎用機器の活用も検討している。最終的には、デバイスとソフトウェアを組み合わせた形で提供する構想だ。

主な活用シーンは、工場や梱包などの現場作業だ。
紙のチェックシート記入やタブレット入力による作業中断を減らすほか、熟練者のノウハウの可視化・標準化、次工程への注意喚起、改善活動にもつなげられる。検査で問題が発生した際にも、工程ごとの状況を振り返りやすく、現場負担の軽減と品質向上の両立が期待される。

記録突合による現場作業DXソリューション(参考出展)

次の参考出展では、AIを活用して作業現場のプロセスを可視化し、不備・不正・漏れを自動検知するソリューションを紹介した。
デモではスキャナーの点検や梱包作業を例に、紙のチェックシート、写真、動画、音声など複数のデータを突合し、作業の文脈を踏まえて不適合を検出する仕組みを示した。

スキャンした紙のチェックシートと、梱包作業中に撮影した動画(MP4ファイル)をAIが突合しているデモ画面

従来は、チェック結果をスキャンして記録することはできても、実際に正しい手順で作業が行われたかまでは把握できない。そこで本ソリューションでは、チェックシートや写真、動画、音声などの入力データをもとに、AIが現場の状況を把握し、記入ミスやシールの貼り間違いなどを自動で検知。さらに、結果をレポート化し、原因分析や改善活動につなげられる点を特長としている。

現場では「作業エビデンスとして写真を撮ること自体」が目的化してしまうケースもあるため、PFUでは静止画だけでなく、作業プロセス全体を捉えることが重要だと考えている。写真撮影やチェック入力が目的化しがちな現場に対し、より自然な形で記録・解析できる仕組みを提供することで、現場改善と業務効率化を支援していく考えだ。

前述のキャプチャリングデバイスと組み合わせて、現場作業の改善と業務効率化を支援

対象は梱包作業に限らず、作業手順に沿って行うさまざまな現場作業を想定している。入力データは紙帳票だけでなく、ExcelやWordなどで作成されたデータにも対応可能で、幅広い業務への適用が見込める。

外観検査設計の自動化支援ツール(参考出展)

この展示では、デジタルツイン技術を活用し、外観検査の設計を効率化する支援ツールを紹介した。
製品や部品をバーチャル空間上で再現し、傷や凹みなどの不良状態をシミュレーションすることで、実際に製品を作る前の段階から、どのような不具合が起こり得るかを検証するツールだ。

本ツールは設計者向けのCADツールとの連携を想定しており、部品の特性や注意点、必要な検証項目を対話形式で提示できる点も特長だ。
さらに、照明やカメラの条件を変えながら、対象がどのように見えるか、どの程度検出できるかを確認できるため、検査工程の設計を上流段階から支援できる。

従来、外観検査や目視検査の領域では、実際に製造された現物やNG品を見ながら判断する進め方が一般的だった。
これに対し本ツールは、外観不良や傷が後工程で問題化する前に、設計段階からそのリスクを検討できるようにするもの。傷や外観不良のリスクに加え、検査装置の検出精度や市場流出リスクまでを比較・評価できる仕組みを目指している。

また、光学機器の自動選定に関する機能は、MEX金沢2025に出展した技術を発展させたものだ(注1)。
昨年は、傷の見え方を踏まえてカメラや照明などの光学条件を検討し、バーチャル空間上で画像を生成するところまでを示していたが、今回はさらに、その条件でどの程度の検出率が得られるかまで評価できるようにした点が、新たに加わったポイントである。

注1:PFUジャーナル「進化するAI×業務効率化――PFUが提案するDX化の最前線【MEX金沢2025/e-messe kanazawa 2025 出展レポート】」(https://journal.pfu.ricoh.com/00141/

e-messe kanazawa 2026 出展レポート

e-messe kanazawa 2026は、一般社団法人石川県情報システム工業会が主催する展示会で、DX推進やAIを活用した新たなビジネス提案、新製品展示などが行われた。今年は過去最多となる89の企業・団体が参加し、学生向け出展企業ガイドツアーも初開催された。

今年の開催テーマ(キャッチコピー)である「理想をカタチに  未来を描くICT」は、PFU社員の澤田 恭享さんの応募作品が採用されたものだ(注2)。

注2:e-messe kanazawa 2026 キャッチコピー決定(https://www.e-messe.jp/news_detail.php?news_id=8

PFUブースでは、2026年10月に販売開始予定の「顔認証付きカードリーダー Caora」の最新機種や、2026年4月から30周年記念プロジェクトを展開中の「Happy Hacking Keyboard」などを展示した。

ここでは、WEB会議用マイクスピーカー「RICOH Meeting 360 V2」と、参考出展の「新世代スタンドカメラ」を紹介する。

RICOH Meeting 360 V2

「RICOH Meeting 360 V2」はWEB会議用のマイクスピーカーである。リモートワークやハイブリッド会議で、会議室の雰囲気や参加者の様子を遠隔地にも伝えやすくし、会議室内の参加者と遠隔参加者の双方が、会議の状況を共有しやすくなる。
本体上部に360度カメラとマイク、下部にスピーカーを搭載し、会議室全体の映像と音声を共有できる。

マイクで捉えた発話方向と、カメラ映像から認識した人物の位置情報を組み合わせることで、実際に話している人を自動でフォーカスできる点が特長だ。
これにより、リモート参加者も「誰が話しているのか」「会議室の雰囲気がどうなっているのか」を把握しやすくなり、会話に参加しやすくなる。

また、USBケーブル1本でパソコンとつなぐだけですぐ利用でき、専用工事や複雑な設定も不要。4~8人程度の会議室で手軽に導入しやすい点も特長である。

新世代スタンドカメラ(参考出展)

参考出展として、ドキュメント撮影時の「テカリや影の映り込み」を低減するスタンドカメラ技術を紹介した。
書類や冊子などをカメラで撮影する際は、照明や設置環境の影響で光が映り込み、文字や情報が見えにくくなって、撮り直すこともある。この技術は、そうした映り込みを抑え、より見やすい画像として取得できるようにするものだ。

デモでは、4つの視点から取り込んだ画像をもとに、より自然な1枚の画像を撮影する流れが紹介された。ある視点の画像では光って情報が欠けていても、別の視点で取得した画像から補完することで、文字や内容が見やすい状態に整えることができる。
室内の照明のON/OFFや装置の設置位置を調整しなくても、だれがどこで使ってもきれいな画像を撮影できる点が特長だ。

PFUが強みとする画像処理技術も生かされており、利用者は「どこが光っているか」を意識することなく、映り込みのないドキュメント画像を効率よく取得できる。新世代スタンドカメラとして、今後の活用が期待される。

現場に寄り添い、価値を届ける

MEX金沢2026、e-messe kanazawa 2026では、PFUが取り組む多様な製品・ソリューションを紹介した。 現場の作業記録や品質向上を支える技術から、AIや画像処理を活用した業務支援まで、PFUは幅広い領域で価値提供を目指している。これからも、お客様の現場や業務に寄り添いながら、製品・ソリューションを通じて社会やビジネスの発展に貢献していきたい。

SHARE