進化するAI×業務効率化――PFUが提案するDX化の最前線【MEX金沢2025/e-messe kanazawa 2025 出展レポート】

2025年5月、PFUは石川県金沢市で開催された2つの展示会に出展した。
5月15日(木)から17日(土)の3日間にわたり開催された、MEX金沢2025(第61回機械工業見本市金沢)と、5月23日(金)・24日(土)に開催された、第40回いしかわ情報システムフェア「e-messe kanazawa 2025」だ。
石川県を代表する展示会に出展したPFU。その展示内容やブースの様子を紹介する。

  • MEX金沢2025(第61回機械工業見本市金沢)
    会期:2025年5月15日(木)~5月17日(土)
    テーマ:技術が切り拓く、未来の鼓動
  • 第40回いしかわ情報システムフェア「e-messe kanazawa 2025」
    会期:2025年5月23日(金)・5月24日(土)
    テーマ:夢の世界がすぐそこに  かなえる力ICT

MEX金沢2025 出展レポート~PFUの技術とAIが融合し、DX化を加速~

MEX金沢は、一般社団法人石川県鉄工機電協会が主催している「機械工業見本市」で、ものづくりが盛んな北陸を象徴する展示会である。参加企業は北陸だけにとどまらず、首都圏、関西、中部地方から出展する企業も多い。第61回となった今年は、過去最多の279の企業や団体が出展した。

MEX金沢2025 ポスター

PFUでは、株式会社リコーのA3カラー複合機にPFUの業務用イメージスキャナー「RICOH fi-7600」を融合した「RICOH IM C3010SD」や、さまざまな書類を電子データとして一元管理できるクラウドサービス「DocuWare」、PFUの業務用イメージスキャナー「fiシリーズ」に標準添付されているソフトウェア「PaperStream Capture」など、多様な製品やソリューションの展示を行った。

ここからは、展示内容の一部を動画と共にお伝えする。

AI-OCRでFAX受発注業務をスマートに!「DynaEye 11 / RICOH fi-8190」

「DynaEye 11 / RICOH fi-8190」のコーナーでは、5月20日に発表された「DynaEye 11」のレベルアップ部分をデモンストレーションで披露(注1)。

これまで認識が難しかったドットプリンターで印刷された帳票や、FAXで受信した伝票などの文字を、AI-OCRで高精度に認識する様子を紹介した。

ドットプリンターで印字された伝票や、FAXで届いた書類は、従来のOCR技術では認識精度が低いため、手作業による修正が必要なケースも多い。そのため、これらの書類を扱う業務において効率化が進まないという状況が続いている。
「DynaEye 11」の今回のレベルアップでは、ドットプリンターやFAXの活字におけるデジタル変換を強化。カスレや薄い印字などの品質が低い活字も高精度に認識可能となり、データ入力業務を効率化できる。

また、動画には含まれていないが、準定型帳票のOCRに対応する「エントリーアプリケーション」には、新たなオプションとして生成AI連携機能が実装されている。請求書や注文書などに複雑な明細項目が含まれていても、AIが明細を認識し、整理された形式で出力するという機能だ。

来場者からは、「FAXなどのかすれている文字は、正確に読み取れないと感じていた」という声や、「FAXで受信した紙の扱いに困っているので、この読み取りはありがたい」という好評価の声をいただいた。
製造現場やオフィス業務に欠かせないデータ入力。その負担を軽減し、DXの推進を図るために、「DynaEye 11」やPFUのソリューションをぜひ活用いただきたい。

注1:PFUプレスリリース(https://www.pfu.ricoh.com/news/2025/news250520.html)
DynaEye製品ページ(https://www.pfu.ricoh.com/dynaeye/product/dynaeye11/)
fiシリーズ製品ページ(https://www.pfu.ricoh.com/fi/)

手戻りゼロの光学設計で最適化を実現「マシンビジョン光学設計ツール(参考出展)」

参考出展では、製造現場で使用される「画像検査装置」の設計業務をサポートするツールを紹介。

「画像検査装置」とは、製品が設計通りの寸法で作られているか、また製品にキズや欠陥が無いかを検査するための装置である。検査の性能を決定づける上で重要となるのが、製品の形状や素材を正確に捉え、キズや欠陥を見逃さないこと。この検査に利用されるのが「マシンビジョン」とういう技術だ。現在、マシンビジョンの開発は技術者の経験や技量に依存しており、膨大な工数がかかっている。

このコーナーでは、マシンビジョンの開発部分をAIが仮想空間内で再現し、照明やカメラのベストな組み合わせを提案してくれるツールを紹介した。

技術者が使用する照明やカメラの一例と、展示された装置の写真

技術者が使用する照明やカメラの一例(左)と、AIが提案した組み合わせを確認するための装置(右)。

このツールの特長は、偏光を含めた反射の仕方をリアルに再現できること。PFUが培ってきた光学・画像処理技術を活用し、この特長の実現にチャレンジしている。

人の経験や技量に頼っていた作業をAIがサポートしてくれる――AI時代ならではのこの発想が、製造業の未来を切り拓く一助となるだろう。PFUの技術やソリューションが作業者の負担を軽減し、属人化や人手不足といった課題を解決する存在になれることを期待したい。

学生特別企画・PFUブルーキャッツ石川かほく

MEX金沢では、学生が出展企業を訪問し、会社説明や採用情報を聞けるという会場限定の特別企画が行われた。PFUもこの企画に参加し、訪問してくれた学生たちへPFUの主力製品、福利厚生や働き方、インターンシップの情報(注2)を紹介するミニセミナーを開催。PFUをより身近に感じてもらえる機会となった。

学生特別企画のミニセミナーの写真

学生特別企画のミニセミナーを行う様子

注2:PFU採用情報(https://www.pfu.ricoh.com/recruit/)

最後に、多くの来場者が立ち寄っていたのが、「PFUブルーキャッツ石川かほく」の特設コーナーだ。選手紹介のパネルやチームマスコット「ブルーニャ」のグッズが並ぶ華やかなブースに、ファンやお客様が集まった。

「PFUブルーキャッツ石川かほく」特設コーナーの写真

e-messe kanazawa 2025 出展レポート~進化するAIと共に、PFUが業務効率化をサポート~

e-messe kanazawa 2025は、ICT関連企業によるICT/IoT利活用の促進、新たなビジネス提案、新製品等の展示を通して、地域の情報化推進に寄与することを目的に、一般社団法人石川県情報システム工業会が主催している展示会だ。

例年、e-messe kanazawaでは、開催テーマ(キャッチコピー)を一般から募集している。今年のテーマ「夢の世界がすぐそこに  かなえる力ICT」は、なんとPFU社員が応募した作品である。
PFU社員・瀬川 良之さんにとっては今回が初めての応募だったが、e-messe kanazawaの開催目的や趣旨を的確に表現した作品が評価され、見事採用となった。

e-messe kanazawa 2025 ポスター

PFUでは、ビジネスや家庭の紙をスマートにデジタル化する「ScanSnap」や、社内ネットワークに接続するあらゆるIT機器を管理できる「iNetSec SF」、快適なネットワーク通信を実現する次世代ルーター(参考出展)などの、業務効率化を推進する製品やソリューションの展示を行った。

ARグラスが実現するスマートな業務(参考出展)

ブースの一角には、なにやらARグラスをかけたお客様に参考出展のソリューションを説明しているPFU社員の姿が。

展示内容を説明するPFU社員の様子

従来の対話型生成AIでは、文章を入力したり音声で質問したりという手段を使ってAIと対話する必要があるが、このソリューションでは、「視る」だけでAIが業務をサポートしてくれる。

サングラスのようなARグラスをかけて名刺を見ると、そこには名刺以外の情報が…。気になる続きは、ぜひ動画で確認を。

ARグラスをかけて、AIが文書を認識し情報を提供してくれれば、人による作業はかなり簡略化できる。プロンプトを作成することも、声で質問を投げかけることもなく、手軽にAIがサポートしてくれる――対話型生成AIからさらに進化し、視覚とAIを組み合わせることで、さまざまな業務がもっとスムーズになると期待できる。

本人確認ソリューション「Caora」(参考出展)

病院などの医療機関でマイナンバーカードの認証にすでに使用されている顔認証つき本人確認端末「Caora」(注3)では、参考出展として本人確認ソリューションを紹介。マイナンバーカードなどの情報の読み取りと、カメラによる本人確認が1台の端末で完了する。

本人確認ソリューション「Caora」(参考出展)コーナーの写真

本人確認書類の項目が多く目視での偽造チェックが難しい点や、本人情報を手入力で転記する手間がかかる点など、本人確認の現場で起きる課題を解決できるのがこのソリューションだ。本人確認書類の券面やICチップを自動でチェックする機能、さらに本人情報をテキストで出力しアプリで確認できる機能により、本人確認業務のデジタル化と入力業務の負担軽減を実現する。

窓口業務における本人確認をデジタル化し、スタッフによる目視確認を代行するソリューションは、多様な業界や施設での活用が期待される。Caoraを活用したソリューションは、窓口業務の効率化と安心安全な受付窓口の実現に貢献できるだろう。

注3:Caora製品ページ(https://www.pfu.ricoh.com/caora/)

プロに選ばれる至高のキーボード「HHKB」

常にたくさんの来場者が集まっていたのがHappy Hacking Keyboard(HHKB)の展示コーナーだ。

Happy Hacking Keyboard(HHKB)コーナーの写真

特別に展示された黒漆(くろうるし)のHHKBキートップを触ったり、HHKB Studioのジェスチャーパッドの使用感を試したりと、途切れることなく多くの来場者が立ち寄った。説明員は、1台のキーボードを長く使うことのメリットや、HHKBのおすすめポイントをお客様に語っていた。

黒漆のHHKBキートップが展示されている様子

高級感あふれる黒漆のHHKBキートップが装着されたHHKB Studio(写真中央)

AIと技術力で切り拓く未来

MEX金沢2025、e-messe kanazawa 2025の両会場で、PFUはAIを活用した製品やソリューションを展示し、多くのお客様にご覧いただくことができた。
これまで培ってきたコンピュータやイメージスキャナーの開発技術を土台に、AIの技術を取り入れながら、PFUはお客様の業務効率化やDX化に貢献できればと考えている。これからも製品やソリューションの提供を通じて、社会やビジネスのさらなる発展に寄与していきたい。

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