DX推進は業務改善から | 業務可視化を起点にした進め方と成功のポイント

2026.10.20

DXを活用して業務の非効率や生産性の課題を解決したいと感じていても、「どこから始めたらよいか分からない」「DX推進をどのように進めればよいのかわからない」という企業は少なくありません。そうしたときに重要になるのが、業務そのものや業務プロセスを根本的に見直す業務改善です。

この記事では、DX推進の基本的な考え方、DX推進に向けた業務改善の進め方や成功のポイントを解説します。後半では、PFUのDX支援サービス「プロセスRe:Design」を活用して、業務可視化から改善策の具体化につなげた企業の事例も紹介します。

DX推進とは

DX推進とは、デジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルだけでなく、業務そのものや組織、企業文化まで変革していく取り組みです。単なるデジタル化ではなく、企業価値の向上につなげる活動といえます。

DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)は、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード3.0」で、次のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
出典:「デジタルガバナンス・コード3.0~DX経営による企業価値向上に向けて~」

DXは単に新しいシステムやITツールを導入することではありません。業務の進め方やプロセス、組織のあり方まで含めて見直し、より成果の出る形へ変えていくことが求められます。そのため、DX推進はIT部門だけの取り組みではなく、現場部門や管理部門も含めて部門横断で進めるべきテーマです。

なぜDX推進は業務改善から始めるべきか

DX推進を成果につなげるには、デジタル技術を活用する前に、まず業務プロセスを見直すことが重要です。
属人化された業務や、整理されていない業務プロセスのままデジタル技術の導入を検討しても、その業務に本当に必要なシステムやITツールを正しく判断することはできません。また、業務プロセスが整っていない状態で新たなシステムを導入すると、現場が混乱し、新たな課題や非効率が生じることもあります。

その結果、部分最適にとどまったり、従来の非効率なやり方を残したままデジタル化してしまう「場当たり的なDX」につながるおそれがあります。こうした事態を防ぐためにも、デジタル技術を導入する前に、まず業務を可視化し、課題の原因を整理したうえで、どのような改善が必要なのかを明確にすることが重要です。

DX推進が進まない企業の特徴

次のような課題を感じている企業は、DX推進が進みにくい状況にあるといえます。こうした状態では、デジタル技術を導入しても十分な効果が出にくいため、まずは業務プロセス全体を見直し、課題の根本原因を整理してから業務改善を進めることが効果的です。

  • 業務が属人化している
  • 現場ごとにやり方が違う
  • どこに課題があるのか分からない

DX推進に向けた業務改善の進め方 | 5つのステップ

DX推進に向けた業務改善では、単に業務を見直すだけではなく、課題の特定から業務プロセスの再設計、実行、確認までを一連の流れで進めることが重要です。業務改善を進める際の5つのステップを紹介します。

  1. 目的と対象業務を整理する

    まずは、「何を変えたいか」「どのような状態を目指すのか」といったDX推進の目的を明確にして、改善対象とする業務を定めます。その際は、業務量や業務構造を整理して業務を可視化し、優先的に見直すべき業務を選定します。

  2. 業務課題を明確にする

    現状の業務フロー(As-Is)を作成して、業務プロセス上の課題を明らかにします。
    具体的には、業務の流れ、工数、担当者、使用しているシステム、現場で起きている課題などを整理します。業務フローを作成すると、どこに非効率や属人化があるのかを把握しやすくなります。
    このステップで重要なのは、表面的な課題だけでなく、根本的な原因やボトルネックまで掘り下げることです。例えば「業務が属人化している」ではなく、「なぜ属人化しているのか」「マニュアルは整備されているか」「役割分担は適切か」などの背景まで分析すると、真の課題を明確にできます。

  3. あるべき業務の姿を描く

    現状の分析を踏まえて、あるべき業務プロセス(To-Be)を設計します。
    ここで重要なのは、現状のやり方を前提に改善を考えるのではなく、ゼロベースで本来あるべき姿を考えることです。現状をベースにしたままでは、根本的な改善につながらないことがあるためです。
    設計では、業務の標準化、役割分担やルールの見直し、場合によっては不要な作業の廃止も検討します。
    そのうえで、ITツールやシステムの活用も取り入れて、最適な業務プロセスを再設計します。

  4. 改善施策を実行する

    設計した新しい業務プロセスを、実際の業務に導入します。
    必要に応じて、ITツールの導入やシステムの改修を行います。また、新しいプロセスを現場に定着させるために、社員向けの説明会や教育、マニュアル整備なども進めます。
    仕組みやシステムを新しくするだけでは、業務改善の成果は十分に得られません。実際に業務を担当する現場が新しいやり方を理解して、運用できる状態にすることが重要です。

  5. 運用しながら効果を確認する
    新しい業務プロセスの効果を確認し、課題が改善されたかを評価します。

    次のような観点で確認します。
    ・当初の課題が改善されたか
    ・生産性や品質は向上したか
    ・新たな課題が起きていないか

    評価の結果、新たな課題が見つかった場合は、最初のステップに戻り、継続的に改善を進めていきます。

業務改善を成功させるためのポイント

業務改善を成果につなげるには、進め方を押さえるだけでなく、実行時に意識すべきポイントがあります。業務改善を成功に導くために重要な3つのポイントを紹介します。

1. 分析だけで終わらせず、実行・効果確認まで一貫して進める

業務改善は、分析や課題抽出で終わらせずに、設計・実行・確認までを一貫して進めることが重要です。
業務を可視化し、課題を洗い出しただけでは、業務効率化や生産性向上は実現しません。その後に、業務プロセスのあるべき姿を設計し、実際に導入・評価したうえで継続的に改善していくことが業務改善の成果につながります。

2. 現場とITの両方を理解した体制で進める

現場の業務だけを見て改善策を考えると、見直しの範囲が限定的になったり、改善が部分最適にとどまったりすることがあります。逆に、IT活用だけが先行すると、現場の運用に合わない仕組みになってしまい、導入しても定着しない可能性があります。
このような事態を防ぐためには、業務を理解しているメンバーと、ITやシステムの知見を持つメンバーが連携して、双方の視点を取り入れることが重要です。

3. 第三者の知見を活用する

第三者の視点や専門的な知見を活用することも有効です。
社内だけで検討していると、当たり前になっていて気づけない課題があります。外部からの視点や意見を取り入れると、社内では見えにくかった課題や改善できる業務に気づきやすくなります。
また、業務可視化やプロセスの再設計には、一定の手法やノウハウが必要です。専門的な知見を取り入れることで、課題の整理や改善が進めやすくなります。

業務可視化から改善策の具体化まで支援する「プロセスRe:Design」

PFUのDX支援サービス「プロセスRe:Design」は、業務改善を進めるうえで重要な、課題の可視化、原因分析、改善策の具体化を一貫して支援できるサービスです。
実際に、業務起点で課題を整理し、真の課題の特定と改善策の具体化につなげた株式会社 西銀座デパート様の事例をご紹介します。

導入事例

ITツール導入ありきではない、業務起点のDX。
西銀座デパートが「プロセスRe:Design」で可視化した「真の課題」

株式会社西銀座デパート
取締役総務部長 荒関 良規 様
総務部 総務グループ 課長 小島 悟 様

株式会社西銀座デパートは、ショッピングセンター「NISHIGINZA」の管理・運営を行う企業である。テナントの賃料計算や出店契約など、多岐にわたる管理業務を少人数で担っており、部署の垣根を越えた業務課題の解決を模索していた。単なるITツールの導入ではなく、まず業務プロセスを可視化し、業務課題の本質を見極めたいという狙いから、PFUの「プロセスRe:Design アセスメントサービス」を導入。表面的な事象の奥にある根本的な原因を深掘りしたことで、これまで見えていなかった課題が浮き彫りになり、具体的な改善策の検討へと導かれた。

ITツール導入前に、「本当に解決すべき課題」を明確化

個別業務の効率化を進めるだけでは、根本的な解決につながらないこともあります。同社は「プロセス Re:Design アセスメントサービス」を活用し、業務の流れを可視化。表面的な事象の奥にある課題や背景を整理し、優先して取り組むべき改善テーマを明確にしました。

業務起点のDXを進めたい方へ

「DXをどこから始めればよいかわからない」「ツール導入を検討しているが、現場の課題を整理できていない」といった企業・部門にとって、本事例は課題の見極め方や改善策の検討プロセスを考えるヒントになります。

株式会社 西銀座デパート様の導入事例を詳しく見る

まとめ | DX推進の成果は、業務を見つめ直すことから生まれる

DX推進で重要なポイントは、デジタル技術を導入すること自体ではなく、「何を変えるべきか」を業務起点で明確にすることです。業務の全体像を可視化し、現場で起きている課題やボトルネックを把握したうえで、あるべき業務プロセスを設計する。さらに、施策を実行し、効果を確認しながら継続的に見直していく――この一連の取り組みが、部分的な効率化にとどまらないDX推進につながります。

一方で、業務が複雑化・属人化している場合、「どこに課題があるのか」「何から着手すべきか」を自社だけで整理することは容易ではありません。PFUの「プロセス Re:Design」は、業務の可視化、課題・原因の分析、改善策の具体化までを一貫して支援します。DX推進の第一歩として、まずは自社業務を正しく把握し、改善すべき業務を明確にすることから始めてみてはいかがでしょうか。

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