伝票を電子化するにはどうすればいい?入力作業効率化への道とは

2020.7.30

紙の伝票を管理する上で、紛失や劣化などの管理リスクが常に付きまといます。
そのリスクを軽減するためには「電子化」が一つの方法として挙げられます。しかし、どのような方法で電子化すればよいのか、わからないことが多いという声も聞かれます。
そこで、伝票を電子化することによって得られるメリットのほか、電子化する際に準備することなどについてご紹介いたします。

伝票の電子化のメリット

伝票の電子化を行うメリットを3点ご紹介いたします。

  • 劣化や紛失を防げる

    紙媒体の問題として、長期保管による劣化や、紛失が挙げられます。
    紛失は管理体制を徹底するなど、ある程度の対策ができますが、劣化は厳重に保存していても起こってしまいます。電子化すれば劣化を心配する必要は無くなり、紛失に対しても大量の伝票に対して効率的にセキュリティ対策を施せます。

  • 伝票を管理しやすい

    キーワードや取引先の名前などを用いて検索することで簡単に調べることができるので、伝票を探す時間や手間が短縮できるようになります。
    また、複数の社員でのデータ共有が可能になるため、チームでの管理体制をとっている場合は効率よく作業を進めることができます。

  • 業務時間の削減

    伝票の電子化を行う最大のメリットといえることが、業務時間の削減です。
    伝票を電子化することで、OCRなどのICTを活用して伝票の検索やデータ入力作業を大幅に効率化することができ、作業時間を減らすことができます。

OCRとは、「Optical Character Recognition」の略語で、日本語では「光学的文字認識」といいます。いわゆる、「デジタル画像を解析して文字データに変換する技術」です。
伝票をドキュメントスキャナーなどで読み取りデジタル画像にした後、デジタル画像から文字の部分をOCRで解析することにより文字データとして取得できます。

伝票の電子化で注意すること

伝票の保管や業務効率の面において、伝票を電子化することにはいくつかのメリットがあることがわかりました。しかし、実務担当者へのヒアリングや電子化する伝票をあらかじめ検討しておかないと、スムーズに進まないばかりか費用対効果が悪くなってしまうこともあります。

伝票の電子化をする際には、スキャナーで読み取ったあとどうするのか、どのように保管し最新データや変更履歴を保つのか、さらにOCRでの処理等を行うのかといった点をしっかり検討する必要があります。場合によっては業務担当者の作業量が増えてしまうことにもなるので、具体的な業務フローを検討しておきましょう。

AI-OCRとRPAで伝票の入力作業を効率化する

近年では人工知能を搭載したAI-OCRによる読み取り精度の向上、またRPAなどの自動化システムによりさらに業務効率を向上させることができるようになってきました。最後にAI-OCRとRPA連携についてご紹介いたします。

  • AI-OCR

    AI(人工知能)を搭載したことにより、これまでOCRでの解析の準備手順として必要だったフォーマットの設定(読み取り位置や項目)が不要になり、AIが自動で内容を抽出してくれます。また、文字の認識についても、仮に読み間違えがあってもそれをAIが学習することでさらに認識の精度を向上させることが可能です。

  • RPAとの連携

    RPA(Robotic Process Automation)は、これまで人がパソコン上で行っていた作業をロボットにより代行するもので、主にはデータの抽出や転記、ファイル作成などの業務で使用されているものです。これにAI-OCRを組み合わせることで、読み取ったデータの入力、ファイルの作成と会計ソフトなどへのデータ受け渡しといった一連の作業をほとんどすべて自動化することが可能です。

まとめ

紙の伝票を電子化することで得られるメリットと生じうるデメリットや検討すべき事項についてご紹介いたしました。伝票の電子化を検討されている方の参考になれば幸いです。
これまで煩わしく感じていた処理業務の軽減やコスト削減、社員のモチベーション維持やパフォーマンス向上も期待できます。

PFUではOCRの導入だけでなく紙文書入力業務全体の最適化をご提案しています。ぜひお問い合わせください。

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