業務効率化の鍵を握る?効果的なファイリングのコツとは

気がついたら机の上に書類が積み上がってしまう、書類を見つけるのに手間取り業務効率が著しく下がる。そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。書類を探すのにかかる時間を短縮できれば、本来やるべき仕事に集中でき、結果的に生産性の向上につながります。意外とあなどれない、ファイリングのコツについてご紹介します。

ファイリングで業務効率化を目指す

ファイリングとはそもそも何を指すのか。ファイリングができないとどのように困るのか。まずは基本的な知識についておさらいしましょう。

ファイリングとは

ファイリングは書類を整理し保管することを指します。いくらデジタル化が進んでいるといっても、職場から完全に紙が消えるまでには、まだ時間がかかりそうです。文書を作成したあと、いかにしてそれを活用するか、どのようにチームの垣根を越えて共有するか。またセキュリティといった保管・保存要件の厳しい書類について、どのように管理するか。工夫できるポイントはたくさんあります。

ファイリング方法の分類

ファイリングは単純にバインダーに資料をとじるだけではありません。大きく3つの方法があります。それぞれ特徴を見ていきましょう。

  • バーティカル方式ファイリング

    共通性のある文書を、フォルダーにまとめる方法です。とじ込まないのがポイントで、出し入れしやすいメリットがある一方で、紛失しやすいというデメリットもあります。

  • バインダー方式ファイリング

    バインダーに書類を重ねてとじ、並べて保管します。年代、重要度、ジャンル、クライアント別などに分類することで書類が探しやすくなるというメリットがある一方で、ファイルにとじる手間がかかったり、スペースを取ってしまったりというデメリットもあります。

  • ボックスファイリング

    フォルダーやバインダーではなく、ボックスファイルで管理する方法です。ボックスごとにタイトルをつけることで、書類が見つけやすくなるというメリットがある一方で、いくら書類が少なくてもボックスの大きさの分は場所を取ってしまうというデメリットもあります。

3つの方法はそれぞれ一長一短あるので、目的に沿って方法を選択すること、そして使用者の間でルールを統一して使うことがポイントです。

ファイリングがうまくできると業務効率が上がる

どの方法を選択するにせよ、書類をファイリングし保管することで、必要が生じたときに見つけやすくなります。実際に仕事の場面を思い浮かべてみると、前任者が残したはずの資料を探したり、もらったはずの提出書類の原本を探したりと、書類整理と保管がうまくできていないために生じている無駄な時間が意外とあるのではないでしょうか。ファイリングをうまく活用することで無駄な時間が削減でき、ひいては業務効率の向上につながります。

効果的なファイリングを行うための考え方とルール

業務効率を向上させるファイリングを実践し、続けていくためのコツは何でしょうか。一度だけきれいに整頓できても、それがうまく運用できなければ意味がありません。ファイリングに取り掛かる前に、まず必要な考え方やルールについて考えてみましょう。

保管と保存は違う

保管は必要になったとき、すぐに取り出せる状態で置いておくことです。例えば業務内である資料を参照したくなったとき、どの棚のどのフォルダーを見ればいいかすぐに分かる状態です。一方で保存はその次のステップで、物を現状のまま普段使わない倉庫のような場所に格納しておくことです。自分が片付けたい書類は保存フェーズなのか、保管フェーズなのか、意識してみることでファイリング方法にも違いが出てくるでしょう。

思い切って捨てる勇気を持つ

なんとなく大切だと思ったり、シュレッダーにかけるのが面倒で放置していたりすると、書類の山はどんどん積み上がっていくものです。「もしかしたら必要になるかも」と思うとなかなか処分に踏み切れないものです。しかし思い返してみると、そうやって残しておいた書類で本当に使ったものが、これまでどのくらいあったでしょうか。また、その書類は本当に再入手が難しいものなのでしょうか。そう考えていくと、ファイリング対象になる資料の数自体を減らしていくことができるはずです。

保管する場所を決める

ファイリングをすることの目的のひとつは、書類を探す時間を削減して業務効率化を図ることです。ファイリングすること自体に手間がかかっていては、本末転倒です。忙しい業務時間中でも続けられるファイリングのコツとして、保管場所を決めておくことが挙げられます。あの資料は机の上、この資料は棚の中、とばらばらな場所に置いてしまうことが紛失につながります。あるひとつの場所に置くことを習慣づけてしまえば、忙しいときでも誰もがルールに従って保管できるようになります。

具体的なファイリングのコツ

ファイリングをしなくてはと頭では分かっていても、忙しい業務時間中にはなかなか整理できなかったり、処分の必要性が分かっていても、踏み切れなかったりすることがあります。無理なくオペレーションを回していくためにはどのような工夫をするといいのでしょうか。具体的な手法を見ていきましょう。

玉突き方式で差し替える

思い切って不要な資料を捨てることは大切です。とはいえ、処分の判断をするのはなかなか難しいものです。ならば判断をせず、ルールで決めてしまうと楽になります。新しいものから古いものの順に並べておき、追加があった時点で一番古いものを処分する、といったルールです。処分するほどでなくても、普段使わない倉庫に移動させる、といった方法も考えられます。

保存期間を決めておく

「絶対に必要になることはない」と言い切れる人はなかなかいません。だからこそ、処分に踏み切れずに書類の量だけが増えていくという状態が起こりがちです。玉突きに加えてもうひとつルール設定として有効なのが、保存期間を決めておくことです。3ヵ月使用されなかったら処分する、といったルールを設定し、全員がそれを理解しておくことで、無用なトラブルを防ぎつつも不要な書類を処分することができます。

とりあえず保管する場所を決める

ファイリングを上手にすることで資料の参照がしやすくなり、その結果業務効率が上がるということが分かっていても、忙しいときには適切なファイルに格納する余裕がないかもしれません。とりあえずどこかに置いたはずが行方不明になってしまったり、担当者がいないときにほかの人が参照できなかったりするというトラブルも考えられます。そんなときにおすすめなのが、「とりあえずの場所」を用意することです。ファイリングする時間はなくても、とりあえずここに置くという場所をひとつに決めれば、散らかることもなく、またほかの人も参照しやすくなります。

無理なく効果的なファイリングを続けよう

上手にファイリングをすることで、必要になったときにすぐに資料を参照することができるようになり、業務効率化につながります。さまざまなファイリング手法がありますが、一番大切なのは自分の職場で無理なく運用していける方法を考えて実践してみることです。ファイリング術によって、書類探しのストレスを削減していきましょう。

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