1. WebサービスのOCRとは?メリットやデメリット、オンプレミス型との違いを分かりやすく解説
2024.5.13

WebサービスのOCRとは?メリットやデメリット、オンプレミス型との違いを分かりやすく解説

AI-OCRで利用できる帳票のイメージ画像

Webブラウザなどを介して利用するOCRツールの「クラウド型 OCR」とPCにインストールして利用する「オンプレミス型 OCR」。何が違うのか、自社に合うのはどちらだろうかと迷う方も多いと思います。
この記事では、クラウド型 OCRの特徴、重要視されるセキュリティ対応、クラウド型OCRとオンプレミス型OCRが適しているシチュエーションについて解説します。

1. クラウド型 OCRとオンプレミス型 OCRの違い

両者の大きな違いはシステムをどこに設置するかです。

クラウド型OCRは、クラウドサービスのプロバイダが用意したサーバー上にシステムが置かれます。利用者はインターネットなどを介してそのシステムにアクセスしサービスを利用します。

一方、オンプレミス型OCRは社内にシステムを置く仕組みです。自社サーバーやPCなど、社内に置かれた機器にOCRのソフトウェアがインストールされます。

クラウド型OCRとオンプレミスOCRのイメージ図

1-1. クラウド型 OCRとは

クラウド型OCRとは、インターネット経由で提供されるOCRサービスです。
クラウド型OCRの特徴は、OCRソフトウェアを自社で保有・管理する必要がないことです。導入までの期間短縮や初期導入コストが抑えられるなどのメリットがあります。詳細は「2. クラウド型OCRのメリット・デメリット」で説明します。

1-2. オンプレミス型 OCRとは

オンプレミス型OCRは、自社のサーバーやPCなどにインストールして使用します。
クラウド型OCRにはない以下の特徴があります。

● 作業スピードが速い
OCRソフトウェアをインストールしたPC内で処理が完結するため、文字認識するデータをクラウドにアップロードする必要も、認識結果をクラウドからダウンロードする必要もなく、認識結果をすぐに確認できます。アップロードやダウンロードにかかる待ち時間がないため、作業効率が良いです。そのため、大量の文書を効率的にOCRする業務に適しています。
● 利用枚数に制限がない
一般的に従量課金制ではないタイプが多く、この場合、枚数制限がなくどれだけ使ってもコストは一定。予算化しやすく、業務繁忙期の処理量増加や業務拡張時も安心です。
● 情報漏えいリスクが低い
インターネット回線を使用せずにOCRできるため、外部(第三者)に情報を送る・預ける必要がありません。個人情報の取り扱いなど高度なセキュリティが求められる業務でも安心して利用できます。

2. クラウド型OCRのメリット・デメリット

Webで利用できるクラウド型OCRのメリットは導入のしやすさです。一方、セキュリティ面や利用枚数を考慮して運用する必要がある、というデメリットには注意が必要です。

2-1. クラウド型 OCRのメリット

クラウド型OCRは低価格、かつスピーディーに導入できます。

● 比較的低コストで導入できる
クラウド型OCRは、環境を自社で構築せずに導入できるので初期導入コストが抑えられます。

また、従量課金の価格構成が多い傾向にあります。これは、「OCRを何枚でいくら」「何項目でいくら」といったように、使用頻度等によって料金が切り替わるサービスです。そのため、「OCRを少しだけ利用したい」「毎年、限られた期間だけ利用したい」という場合に価格メリットが大きくなります。

● 導入までの期間が短い
クラウド型OCRは構築されたサービスを利用するため、オンプレミス型OCRと比べて短期間で導入できます。インターネット環境さえ整っていればOCRが利用できる点がメリットと言えます。

また、クラウドサービスでは、サーバーやソフトウェアの管理・メンテナンスはすべてサービス提供会社が行うことが一般的です。
利用者はアップデート作業などのシステムメンテナンスが不要で、常に最新の環境で利用できます。

2-2. クラウド型 OCRでの留意事項

導入の敷居が低いクラウド型OCRですが、留意しなければならないこともあります。

● 枚数制限が心配
クラウド型OCRでは、利用枚数に制限が設定されているケースが多いです。月によりOCRする枚数が異なったり、予想外に利用量が増えてしまったりする場合は注意が必要です。枚数制限を超える場合、追加料金の支払いや契約を見直す必要があります。

事業規模が大きく、大量のOCRが必要な場合はオンプレミス型OCRのほうが割安となるケースも少なくないので、自社の使用頻度を踏まえて適切なものを選びましょう。

● 業務繁忙期にレスポンスが低下する可能性
他社を含むクラウド型OCRの利用が集中する繁忙期にサービスを利用すると、データのアップロードやダウンロードに時間がかかる場合があります。
● セキュリティ面が不安
いわゆる「パブリッククラウド」と呼ばれる共有型のクラウド型OCRは、インターネット上(クラウドサーバー上)にデータをアップロードするため、セキュリティ強度は提供元の環境に依存するともいえ、情報漏えいや個人情報の流出などの不安が残ります。

3. セキュリティへの対応

企業にとって情報のセキュリティ対策は重要です。機密情報や個人情報が流出すると、企業の信頼や信用が損なわれ、業績や事業の継続にも影響を及ぼす場合があります。
そのため、情報の種類や業務内容に応じてOCRサービスを選ぶことが重要です。

セキュリティ対策に悩むイメージ図
● 対策されているクラウド型 OCRを使う
昨今のクラウドサービスはセキュリティ強度が以前に比べて高まっているので、セキュリティ対策の内容をよく確認し、自社が求めるセキュリティ強度に合ったクラウド型OCRを選択して利用することができます。

しかし、自治体などのように独立したネットワーク環境や、個人情報・機密情報を扱うような業種では、クラウド型OCRの利用自体が難しい場合もあります。
このような場合は、オンプレミス型OCRを利用すると良いでしょう。

● オンプレミス型 OCRを使う
強固なセキュリティが必要な個人情報を扱う業務など、よりセキュアな環境でOCRを利用する場合は、オンプレミス型OCRの利用が適しています。

オンプレミス型OCRを利用する場合、認識した情報は自社サーバーなどに蓄積されるため、情報が社外に出ることがなく安心です。

4. クラウド型 OCRとオンプレミス型 OCR、どちらが良い?(まとめ)

ここまでで、クラウド型OCRとオンプレミス型OCRの違いについて紹介してきました。
近年は、システム構築・更新時に、最初にクラウドサービスの利用を検討する「クラウドファースト」の考え方が一般的になっていますが、運用後に不具合が生じてオンプレミス型に回帰するケースもあるようです。クラウド型とオンプレミス型の特徴を理解し、自社の運用や環境、セキュリティ規定にあったOCRを選択してください。

● クラウド型OCRがおすすめのシチュエーション
  • “いつでも、どこでも”、手軽にOCRを利用したい
  • テレワークや営業活動などで、従業員が社内にいないことが多い
  • 使用頻度が少ないため、安価にOCRを導入したい
● オンプレミス型OCRがおすすめのシチュエーション
  • 大量のOCR処理が必要で、枚数制限を気にせずに使いたい
  • 独立ネットワークなので、クラウドサービスが利用できない
  • 個人情報や機密情報を扱う業種なのでセキュリティを重視する必要がある

なお、PFUでは、OCRパッケージソフトウェア 国内シェアNo.1(*1)であるオンプレミス型OCRのAI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」を販売しております。手書き文字の認識精度が高く、簡単操作で帳票定義を作成できます。

DynaEye 11はオンプレミス型OCRで、枚数制限なし、セキュリティも安心といった特長があります。詳細は、次の動画「3分でわかるDynaEye 11」でご確認ください。

また、「DynaEye 11 Entry AI-OCR」を導入すると業務がどのように変わるのかを資料でご紹介しています。こちらもぜひご覧ください。

*1:「OCRパッケージソフトウェア 国内シェアNo.1」は、「DynaEyeシリーズ」を対象とする、富士キメラ総研「ソフトビジネス新市場2023年度版」<2022年度(2022年4月1日〜2023年3月31日)> (提供形態:パッケージソフトウェア)の日本国内における集計に基づく。

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